海外でコロナワクチンを接種した人は、日本に帰国後ワクチンを接種することができるのか?

表題の疑問を抱いている人が結構おられるのではないでしょうか。筆者もモンゴルで中国製のシノファーム社製のコロナウイルスワクチンを2回接種しました。でも、先日外務省から配信されたメールによると、日本で承認している3種類のワクチンを接種した人のみ、ワクチン接種証明書が発行されることになっています。では、それ以外のワクチンを接種した人はどうなるのでしょうか?

外務省が承認しているワクチンについて

外務省が承認しているワクチンは以下の3種類です。

  • コミナティ(COMIRNATY)筋肉注射/ファイザー(Pfizer)
  • バキスゼブリア(Vaxzevria)筋肉注射/アストラゼネカ(AstraZeneca)
  • COVID-19ワクチン モデルナ(COVID-19 VaccineModerna)筋肉注射/モデルナ(Moderna)

このワクチンを接種した人はワクチン接種証明書を出してくれることになっています。ただし、下記の国でワクチンを接種した場合のみです。

日本が有効と認めるワクチン接種証明書を発行する国・地域一覧

地域国名
北米米国全土(CDCカード) 米国(北マリアナ) 米国(ニューヨーク州) 米国(ニューヨーク市) 米国(バージニア州) 米国(ペンシルベニア州フィラデルフィア市) 米国(メリーランド州) 米国(ルイジアナ州)、米国(ワシントン DC)、米国(ワシントン州)、米国(オレゴン州)、米国(グアム)、米国(カリフォルニア州) 米国(アリゾナ州)、カナダ(アルバータ州)、カナダ(ブリティッシュコロンビア州)、カナダ(ユーコン準州)、カナダ(ケベック州)、カナダ(オンタリオ州)、カナダ(ニューファンドランド・ラブラドール 州)、カナダ(ニューブランズウィック州)、カナダ(マニトバ州)、カナダ(サスカチュワン州、 カナダ(ノバスコシア州)、カナダ(ノースウエスト準州)、カナダ(ヌナブト準州)
欧州アイスランド、アイルランド、アンドラ、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、コソボ、ジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルクメニスタン、バチカン、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア ルクセンブルク
アジアインドネシア、韓国、シンガポール、スリランカ、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、香港、マレーシア、モルディブ
大洋州オーストラリア、サモア、パラオ、パプアニューギニア、マーシャル諸島
中南米エクアドル、グアテマラ、コスタリカ、ジャマイカ、ドミニカ国、ニカラグア、パラグアイ、ベリーズ、ホンジュラス
中東・アフリカアラブ首長国連邦、イスラエル、ガボン、チュニジア、トルコ、バーレーン、レバノン

上記の内容を確認していただければお分かりの通り、”モンゴル”はこの中に入っていません。つまり、モンゴルでもファイザー製のワクチン接種を行っていますが、日本ではそれをワクチン接種が完了した人とは認めていないということです。ちなみに中国台湾もその中に入っていません。

日本で認められていない国でワクチンを接種したらどうなる?

ここではモンゴルから帰国する人に対する情報をまとめます。

日本が有効と認めるワクチン接種証明書を発行する国・地域一覧に記載されていない国から帰国する場合、それぞれの国の大使館から詳細情報を得ることができると思います。)

11月14日現在で外務省のホームページを確認すると、下記の国から帰国した場合、ワクチン接種済かどうかに関わらず、宿泊施設で3日間の待機(入国日は含まれません)を求められることになっています。

アルゼンチン、ウクライナ、ウズベキスタン、英国、エクアドル、ケニア、コスタリカ、コロンビア、スリナム、ドミニカ共和国、トルコ、ネパール、ハイチ、パキスタン、フィリピン、ブラジル、モロッコ、モンゴル、ロシア(沿海地方、モスクワ市)

宿泊施設にて3日間の隔離後再度PCR検査を受け、陰性と判断された後、帰宅が許可されます。その後も、入国後14日間は自宅等で待機が必要です。つまりは、14日間の隔離の最初の3日間が、宿泊施設に変更になったことになります。(詳細はこちらを参照。)

ワクチンを接種したのかどうかに関わらず、3日間の隔離が求められるとは、なんとも残念な話です・・・。

日本で認められていない国でワクチンを接種した人は、日本で再接種できるのか?

日本で接種証明書を発行してもらえないと、帰国の度に隔離が必要になってしまいます。また、今後証明書を持っていない人は、日本国内で制限が課される可能性もありますね。では、海外で2回ワクチンを接種していても、日本で再接種することはできるのでしょうか。

結論からお伝えすると、できます!

筆者は日本に帰国中に外務省から上記の情報が発表されたため、すぐに厚生労働省のコロナワクチンコールセンターに電話で確認しました。

筆者

わたし、モンゴルで中国のシノファーム社製のコロナウイルスワクチンを2回接種したのですが、日本では接種証明書を出していただけないのでしょうか。

外務省

はい。日本で承認されている3種以外のワクチンを接種した場合、証明書は発行されません。

筆者

では、手元にある1回目と2回目のワクチン接種券を使って日本でコロナワクチンを再接種することが可能なのでしょうか?

外務省

システム上は再接種可能です。ただし異なる種類のワクチン接種に関してはまだどんな影響があるかについて確かなことが分かっていないので、本人が希望されるなら、医師と相談の上申し込みをなさってください。

という回答をいただきました。それで、本人が希望されるなら、日本で再びワクチン接種が可能です。
というか、もし今後ワクチン接種証明書を持っていない人に行動制限がかかることになった場合、再接種以外に選択肢はないのでは?と感じました。その辺はちょっと不公平な気もします・・・。

筆者は3回目のブースター接種をする気持ちで、日本の1回目のワクチン接種の申し込みをしてみました。ところがここでトラブルが・・・。
なぜか、家に届いたワクチン接種券番号を入力してもエラーが出てしまう・・・。なぜ? そこで「保健センター」に確認してみると、「他の市の番号ですね」とのこと。普通に間違えて送られてきたようです。
そこでついでに海外で接種した旨を伝えると、その件を理解した上でワクチンを接種してくれる病院を紹介してくださいました。それで、もし海外で日本未承認のワクチンを接種していて、日本でもワクチンの接種を希望する場合は、地元の保健センターに確認するのが良いかもしれません。

手元に接種券がない場合

ワクチン接種券を市町村で発行した時に住民票が日本にあった場合、手元に接種券があると思いますが、海外在住の方は日本の住民票を抜いているので接種券が届いていないということもあります。筆者もそうでした。その場合も、市役所に電話をして海外から戻ってきたので接種券が手元に無いことを伝えると、新規に発行してもらえます。

いざワクチン接種へ!

市のホームページより、保健センターに紹介してもらった病院でワクチン接種の予約をし、接種会場に向かいました。受付を済ませ、接種前の医師の問診の時に、事情を説明し再接種しても大丈夫なのかを確認しました。

筆者

わたし、6ヶ月前にモンゴルで中国のシノファーム社製のコロナウイルスワクチンをを2回接種したのですが、再接種しても大丈夫でしょうか?

医師

全く問題ないですよ。日本で承認されているワクチンをしっかり接種してください。副反応の症状が悪化するのは10万人に一人の割合なので、そんなに心配しなくて大丈夫です。(通常のワクチン接種時の副反応の悪化割合。)

ということで、筆者は普通にファイザー社製のワクチンを接種しました。筆者の妻は接種会場の問診で医師に相談したところ、「接種後の経過観察を15分間ではなく30分間にします」と言われました。副反応は、2人とも熱も出ず、患部の痛みだけした。

まとめ

海外でワクチンを接種したとしても、日本で承認されるとは限りません。入国時にも隔離が必要になったり、証明書が発行されなかったりする場合がありますので、外務省のホームページをこまめに確認するようにしましょう。

もし日本で未承認のワクチンを接種し、帰国後再接種を希望する場合は、厚生労働省かお住まいの市町村に確認してみてください。筆者はワクチン証明書に関するメールが届いてからすぐに厚生労働省に確認して、ワクチンを接種できることを知りましたが、その後市の保健センターに電話したときは担当の方は外務省から出された情報を知りませんでした。そのため、一度接種を断られています。それで、もし市町村で断られた時には、「海外から日本への入国に際し有効と認めるワクチン接種証明書について」のサイトを伝えて、未承認のワクチンを接種している人は、日本で再接種できることになっていることを調べてもらうように伝えてみてください。

早くコロナの影響から解放されて、以前の生活に戻れますように!