英語が苦手、新しい言語の習得なんて自分には無理だ!と思っている方がたくさんおられると思います。かく言う筆者もその一人でした。でも、日本語と文法がほとんど一緒ならどうでしょうか?単語が頭に入れば、大体の意味が伝わるようになります。モンゴル語は言語習得初心者にオススメです。
この回では挨拶の仕方を学びます。また、モンゴルの文化や習慣も言語に関係していることも説明していきます。旅先ですぐに使えますので、ぜひ活用してください。
目次
挨拶をしてみよう!
モンゴル語では時間に関係なく使える挨拶と、朝/昼/夜と使い分けられる挨拶があります。これらは単体でも使用できますし、合わせて用いることもできます。まずは基本挨拶から練習しましょう。
こんにちは!
こんにちはの言葉には2種類あります。それは一人の人に挨拶をするときと、複数名に挨拶をする時で変わります。
サエンとは日本語で”良い”とか”元気”と言う意味があり、バエンは”ある”と言う意味で使われます。なので元気ですか?と聞いていることになります。モンゴル人と会った時は、まずこの挨拶をします。
この挨拶は疑問文になっていますね。それで、返事も覚えておく必要があります。誰かから挨拶をされたらこう答えましょう。
サエン バエノー?
- サエン! サエン バエノー? ( Сайн! Сайн байна уу? )
まず”元気です!”と返事をし、その後相手を気遣う挨拶をかけます。自分から挨拶をして、相手が上記の返事を返してくれた場合は、”サエン!”と返事をしましょう。
気遣いの挨拶
モンゴルでは久々に会った人同士が挨拶をすると非常に長いです。元々遊牧民だったので、人と会った時に行う情報交換が非常に重要でした。「家族はみんな元気か?」、「家畜は肥えているか?」、「草はあるか?」、などたくさん会話を楽しんでいたそうです。その名残が残っており、現在でも「家族は元気ですか?」、「仕事は順調ですか?」、など話すことはたくさんあります。ここの会話が長く情報を得やすいために、横のつながりが非常に強いと感じます。
初心者は沢山質問するのは難しいと思いますので、一つだけ覚えておきましょう。それは、”よく休めた?”と言う挨拶です。
- 相手が一人の時
サエン バエノー? ( Сайн байна уу? )
サイハン アマルスノー? ( Сайхан амарсан уу? ) - 相手が複数名の時
サエン バエツガーノー? ( Сайн байцгаана уу? )
サイハン アマルツガースノー? ( Сайхан амарцгаасан уу? )
”アマル”とか”アムラハ(動詞)”は日本語で”休む”を意味します。この挨拶はセットでよく使われます。最初の挨拶の時に一緒に伝えましょう。”サエハン アマルスノー?”と質問された場合も、返事は”サエハン!”と答えましょう!
日本人は基本的に用事がなければ電話をしませんね。でも、モンゴル人は挨拶で話す事が沢山あるので、重要な要件がなくても電話をかけます。モンゴル人から電話がかかってきて挨拶をした後、「どうしたの?」と要件を聞くと、特に用がない事が多々あります。でも気にかけてくれている事が伝わってきて嬉しいですね。最近は筆者も元気かをきくためだけに電話をかけるようにしています。
朝/昼/晩の挨拶
モンゴル語にも「おはようございます」、「こんばんは」のように時間に合わせた挨拶があります。日本と違うのはお昼の挨拶もあることでしょうか。
この挨拶は”サエン バエノー?”と言う代わりに使えるものですが、一つ大切な法則があります。それは、同じ日、同じ人に2回目の挨拶をする時は、時間に合わせた挨拶をすると言う点です。まず朝会った時に”サエン バエノー?”と挨拶をしたとします。その後、夜にもう一度その人と会った場合は、その人が元気であることを知っていますので、”元気ですか?”と聞くと確かにおかしいですよね。そのようなときは時間に合わせた挨拶をします。
- 朝の挨拶
ウグルーニー メンド ( Ѳглөөний мэнд) - 昼の挨拶
ウッドリーン メンド ( Ѳдрийн мэнд ) - 夜の挨拶
オロイン メンド ( Оройн мэнд )
※ ド は ドゥ に近い言い方をします。
モンゴル語で”ウグルー”は”朝”、”ウッドゥル”は昼、”オロイ”は”夜”を表します。”ウッドゥル”は日中の他に月曜日、火曜日の”日”という意味もあります。会話の中でよく出てくる単語です。誰かから上記の挨拶をされた場合は、同じ言葉をそのまま返すようにしましょう。例えば、「オロイン メンド」と言われたら、「オロイン メンド」と返します。
別れの挨拶
モンゴルでは別れる時も、ただ「さようなら」と言って別れるのではなく、気遣いの言葉があります。よく使われるのは「また明日」、「よく休んでね」と言う言葉です。合わせて覚えましょう。
- さようなら
バヤルタイ or バイシタイ ( Баяртай ) - また明日
マルガーシ オールズィー ( Маргааш уулзъя ) - おやすみなさい
サイハン アムラーライ ( Сайхан амраараай)
”バヤルタイ”という言葉は本来、”幸せです”とか”嬉しいです”という意味で用いられます。モンゴル語の表記では”さようなら”と全く同じ表記になります。ただ、別れる時の挨拶は少し言い方が変わって”バイシタイ”と言う事が多いです。
”マルガーシ”とは”明日”という意味があり、”オールザハ(動詞)”とは”会う”という意味があります。合わせると”明日会いましょう”になりますね。
モンゴルはお隣のロシアと密接な関係があります。年配の方たちは学校でロシア語を学んだため、ロシア語を話せる方も沢山おられます。文字もロシア語、モンゴル語共にキリル文字を使用していますので、モンゴル語の中にはロシア語由来の言葉が沢山あります。(文法は違いますので、モンゴル語が話せてもロシアの方とは話せません。)
では、別れの挨拶でモンゴルでもよく用いられているロシア語をご紹介します。それは、
バカー (Бака)
日本人に別れ際 ”馬鹿” と言ったら次会ってくれなさそうですが、モンゴル人と別れる時、”バヤルタイ”の他に ”バカー”と言えば、ちゃんとした別れの挨拶になります。他にも、日本語と同じ読みで全く違う意味、しかも悪い意味になってしまう言葉がありますので、今後ご紹介していきます。
感謝を伝えよう!ごめんなさいは程々に
「ありがとう」もよく使う言葉ですね。ここでは一緒に「ごめんなさい」と言う言葉も覚えておきます。
- ありがとう
バヤルララー (Баярлалаа) - ごめんなさい
オーチラーライ (Уучлаарай)
日本人はよく「ありがとう」と言う意味合いで「すいません」と言いますね。筆者が日本に帰国したとき、お茶を買っただけなのにコンビニのレジの方が「すいません」を連発していました。謝る必要なんてないのに・・・、と非常に違和感を感じました。その感覚でモンゴル語でも「ありがとう」言えばいい状況でも”オーチラーライ”と言ってしまうことがあります。でも、これを言うとモンゴル人は???となります。なんで日本人はそんなに謝るんだ!とよく言われます。
筆者はそれを言われて頭がこんがらがり、肩がぶつかったときにも「ありがとう!」と言っていた時がありました・・・。
当たり前のことですが、意味を正しく理解して使っていきましょう。
敬語の使い方を覚えておこう!
モンゴル語では、敬語になったとしてもあまり大きな文章の違いはありません。ただ、自分より年上か年下かによって、挨拶の仕方や相手の呼び方が変わります。
最初に学んだ「こんにちは」です。”サエン バエノー?”は、初めて会った人には年齢関係なく使って大丈夫です。友達になった相手や、自分よりも明らかに年下である場合には挨拶が短くなります。
- 年下の人に言うとき
サエノー (Саин уу? )
相手がこう言ってくれたときは、親しくなった合図です。でもあなたが相手よりも年上であるなら、使わないでしょう。
もう一つ相手を呼ぶ時です。日本語でいうと”さん”をつけるかどうかに似ていると思います。相手が年上だった場合は、”あなた”と言う意味の”ター”を使い、年下だった場合は”チー”と呼びます。これが逆になってしまうとどちらの年齢の人にも変になってしまうので注意が必要です。例文を見てみましょう。
サエン バエノー? ター (Сайн байна уу? Та )
サエン!サエノー? ( Сайн сайна уу? )
上記ように”ター”を最後につけると、敬意を示している風になります。でも挨拶の時に年下に”チー”はつけません。他にも、感謝を伝える”バヤルララー”ですが、敬意を込めて年上の人に感謝を伝える時には、”タンド バヤルララー”と言うと敬意を示せます。
まとめ
最後に復習で覚えておくと良い単語をまとめておきましょう。とりあえず最初に必要になる基本文章ですので、旅行の前には覚えておきましょう。
- こんにちは
サエン バエノー? (Сайн байна уу? ) - よく休めましたか
サイハン アマルスノー? ( Сайхан амарсан уу? ) - さようなら
バイシタイ ( Баяртай ) - おやすみなさい
サイハン アムラーライ ( Сайхан амраараай) - ありがとう
バヤルララー (Баярлалаа) - ごめんなさい
オーチラーライ (Уучлаарай)
サエン バエノー? (Сайн байна уу? )
サエン バエツガーノー? ( Сайн байцгаана уу? )